先天性欠如の治療
先天性欠如とは
先天性欠如とは、生まれつき歯胚(歯が生えてくるために必要な要素)がないため、部分的に歯が生えてこない症状です。
通常、乳歯は20本、永久歯は28本ですが、先天性欠如の場合は歯の一部が生えてこないため、通常よりも本数が足りなくなってしまいます。
歯が生えてこないことで、歯並びや噛み合わせなどにも悪影響があり、咀嚼がうまくできないため、
唾液の分泌量が抑えられ、むし歯や歯周病などの口内トラブルを引き起こすことがあります。
前歯の先天性欠如の場合、見た目にコンプレックスを抱えてしまい、コミュニケーションに消極的になってしまうことがあります。
子ども全体の1割程度が先天性欠如であると言われています。
先天性欠如になりやすい部位
日本小児歯科学会の調査によると、先天性欠如は、前歯から5番目の第2小臼歯、前歯から2番目の側切歯に起こりやすいことがわかっています。
また、上顎(約.4.37%)より下顎(約7.58%)の方が先天性欠如の割合が高くなっています。
先天性欠如の原因
先天性欠如は、遺伝などの先天的な要素が強いとされているため、本人の生活習慣とは関係がありません。
しかし、近年では、柔らかいものばかり食べる食生活が多くの人に身に付いているため、退化現象として起こるとも言われています。
先天性欠如の治療
先天性欠如を早い段階で知ることができれば、乳歯を永久歯の代わりに残す治療ができます。
しかし、気づくのが遅れて抜歯をしなければならない場合は、歯間にスペースができてしまうため、矯正治療でスペースを閉じたり、
歯のない部分にブリッジや入れ歯、インプラント治療などをし、見た目や機能面を回復させる治療を行う必要があります。
先天性欠如は、レントゲンで発見することができるため、お子さまが該当するか気になる場合は検査をしておくと安心です。