削らない治療

削らない治療とは

削らない歯科治療とは、従来の歯を削ったり抜いたりする治療とは違い、
ドックベストセメントやカリソルブ・キッズソルブといった特殊な薬剤を使用し、
むし歯を柔らかくしたり、むし歯で空いた穴を埋める治療法です。
最近では、歯を削らないむし歯治療を「MI治療」と呼び、新しい治療法として注目されています。

削らない治療のメリット

治療中の痛みがない

削らない歯科治療では、特殊な薬剤でむし歯を柔らかくしたり、むし歯の穴を埋めたりすることで治療を行います。そのため、従来のドリルやスケーラーなどを使ったむし歯治療とは違い、ほとんど痛みを感じることはありません。
歯の寿命を
伸ばすことができる

歯を削って治療をすると、歯の寿命が縮まってしまいます。削らない歯科治療では、お子さまの歯を一切削らずにむし歯の治療を行うため、結果的に自分の歯の寿命を伸ばすことに繋がります。
むし歯や歯周病
リスクを軽減できる

歯を削って詰め物をする治療をすると、歯と詰め物の境目に細菌が入り込み、むし歯が再発するリスクがあります。削らない歯科治療では、むし歯の穴に特殊な薬剤を流し込み硬化させる治療法のため、歯と薬剤の間に隙間ができず、むし歯や歯周病のリスクを軽減できます。

削らない歯科治療方法

ドックベストセメント

ドックベストセメントとは鉄、銅、亜鉛、リン、アルミニウム、酸化チタンなどのミネラルを主成分とする特殊な薬剤です。
銅が殺菌作用の主成分となり、他のミネラルはむし歯に感染した歯の再生に使われます。むし歯菌に侵された部位を削らず、ミネラルで永続的に殺菌するという画期的な治療法です。
銅は微量でも強力な殺菌力を持ち、殺菌効果が永続的に続くため、昔から殺菌素材のひとつとして幅広く用いられてきました。口腔内でイオン化した銅は、細菌の細胞壁に吸着して浸透していき細菌を死滅させていきます。むし歯で空いた穴にドックベストセメントを詰めるだけで永続的な薬効を発揮し、象牙細管に潜む細菌や神経に達した細菌も徹底的に殺菌します。
その上、銅以外のミネラルが歯の再生を助けるため、むし歯菌の酸により溶けかかった歯を再石灰化して治癒してしまう優れものです。抗生剤等は一切使用していないため、アレルギー等の心配もありません。

特徴 01

歯の神経を残せる可能性が高い

むし歯菌に侵食された部分のみを殺菌できるため、むし歯菌が深くまで浸透した歯でも神経を残せる可能性が高くなります。

特徴 02

歯にかかる負担が小さい

ドックベストセメントは、通常2～3回の少ない治療回数のため、歯にかかる負担が小さく、歯の寿命が伸ばすことができます。また、アレルギーの方でも安心して使用できるため、身体への負担も小さい治療法です。

特徴 03

歯を再石灰化できる可能性がある

むし歯菌に侵されている歯の内部を銅の成分で殺菌するため、歯の象牙質の再石灰化が促されるため、むし歯の初期段階の場合、歯を再石灰化できる可能性があります。

特徴 04

殺菌効果が永続的に続く

歯の内部に、鉄イオンと銅イオンを放出し続けるため、高い殺菌力が永続的に続きます。

特徴 05

歯根の病気にも有効

従来の治療では難しい歯根の病気に対しても、永続的に高い殺菌効果を発揮します。

特徴 06

副作用の心配がない

ドックベストセメントの主成分は、天然のミネラルで構成されています。そのため、副作用の心配がなく、妊婦さんやお子さまにも安心して使用することができます。

カリソルブ

カリソルブとは、弱い濃度の次亜塩素酸ナトリウム溶液とアミノ酸などの溶液を混ぜた特殊な薬剤のことで、歯の象牙質に塗布すると、むし歯の部分だけに作用して軟らかく溶かします。溶かされたむし歯は、特殊な器具で除去して詰め物をして治療完了になります。
カリソルブ治療は、むし歯部分のみを溶かす治療法のため、歯根に達するような大きなむし歯には適用できない場合があります。